2013年9月28日土曜日

【タンタンの暴言】CRY-MAX RPG



先日、録画してあった「超速変形ジャイロゼッター」のアニメ最終話を見たときのこと。

ラストの一番盛り上がるシーンで、



主人公のカケルが必殺技モーションに入る


他の登場人物がカメラに1コマずつ映り必殺技を解説


カケル、必殺技を繰り出す




という、少年アニメの流れるような王道熱血演出を見ていたら、不意に昔大好きだったゲームを思い出したので紹介したいと思います。



今日みなさんに紹介したいゲームは…





ババン!





CRY-MAX RPG 熱血専用!



すごいですね、赤いですね。

いきなりCRY-MAXとか言っちゃってテンション高いですね。

ホントは素敵なカバーがついていたのだけれど、あまりに遊びすぎてすっかりボロボロになってしまいました。

見ての通り、コンピュータを利用するゲームソフトではなく、友達集めて紙とペンとサイコロがあれば遊べる、テーブルトークRPGといわれるジャンルのゲームです。



この「熱血専用!」が出版された1990年代は、まさにテーブルトークRPG百花繚乱、爛熟期ともいえる時代でした。


1980年代、D&D(ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ)からはじまる米国発のテーブルトークRPGが次々に翻訳され、国産ではローズ・トゥ・ロードソード・ワールドRPG、そして何よりロードス島戦記RPGによって、テーブルトークRPGは一気にメジャーになっていきました。


そして、1990年代に入ると、様々な実験的なテーブルトークRPGが発表されるようになります。

剣と魔法とエルフとドワーフのトールキン・ワールドから離れた、サイバーパンクスチームパンクホラーアニメ原作ロボット物などといった、世界観的な広がりが現れたのと同時に、サイコロの代わりにトランプを使用するなど、システム的な面白い試みを取り入れたゲームもたくさん登場しました。


そんな時代の中で、僕が「これはエポックメイキングだっ!」と打ち震えて感動したのがこの「熱血専用!」です。








各プレイヤーが戦士、魔法使いなどの役割分担をする旧来のRPGと大きく異なり、このゲームでは


 ・1人のヒーロー(主人公)
 ・複数のフェロウ(脇役)


という構成でキャラクターを作成し、プレイします。

この時点で、かなりとんがっています。


フェロウは、クラスや種族を選択して作成する所謂プレイヤーキャラクターではなく、「やんちゃな少年」「おとぼけ老師」「優しき聖女」といった、物語上の役割です。


彼らは、ヒーローと対極に位置するダークヒーローとの戦いの中にあって、その立場に応じた役割を演じていきます。基本的にダークヒーローを倒すのはヒーローの役割で、フェロウはその戦いに様々な影響を与える存在になります。


例えば、孫悟空(=ヒーロー)フリーザ(=ダークヒーロー)との戦いの中で、ヒーローの友人であるクリリン(=フェロー)が殺され、ダークヒーローがそのことを侮辱的に語ったことで、ヒーローは、


 「クリリンのことかー!!!」


と、怒りのパワーを滾らせて覚醒します。


この、「自己犠牲によりヒーローをパワーアップさせる」といったことを自らのスキルとして主体的に行うことができるのが、フェロウです。演出上戦ってみせることはできますが、最終的に「ヒーローがダークヒーローを倒せるようにバトンを渡す」のが目的です。

その他にもフェロウは、「気丈な女戦士」が水浴びしているところを主人公が偶然のぞいてしまうハプニング、というようなお決まりのシーン(予約シーン)を演出してみたり、さきほどの「ジャイロゼッター」のように、主人公の必殺技の戦況解説をして必殺技の威力を増幅させたりすることができます。

例えば、


 ヒーロー 「師匠、すいません。禁じられた技を、俺は、使います…」

 フェロウ1 「…なんだあの闘気は?」

 フェロウ2 「バカな、地面が…剥離していく…」

 フェロウ3 「まさか、あれが、伝説の!!!」

 ヒーロー 「必殺、スカーレットインパクト!!!!」


という風にセリフをつないでいくことで、最後の必殺技の威力にフェロウ3人分のボーナスが加算されるのです。


それまでのRPGは、キャラクターが「HP(ヒットポイント)」というパラメータを持っていて、それがゼロになると死んだり気絶したりするのが一般的でしたが、この「熱血専用!」は違います。

物語の中での存在意義、といったものが数値化され、それがなくなった時にキャラクターは死亡、つまり物語から退場します。


ヒーローダークヒーローの戦いにおいても、例えば、悪役の信念を論破する熱血論破によって、ダークヒーローを大幅に弱体化することができたりします。


悪の信念を主人公に論破されて言い返せない悪役に「負けフラグ」が立っているのは、物語の構造的には非常にすんなり理解できます。

つまり、このゲームは、それまでのシミュレーション寄りのテーブルトークRPGから、即興演劇寄りのテーブルトークRPGに大きく舵を切った作品だったわけです。


熱血専用以前にも、既にドラマ重視のゲームはいくつか発表されていましたが、ここまで徹底的に「メタな視点」で遊ぶゲームはなかったんじゃないかと思います。



そんな素敵なゲームですが、たったひとつだけ弱点があります。








プレイするのが恥ずかしい!












そうなんです。

なんかね、照れちゃうんです。

大声で必殺技を叫ぶとかもうね!

多感な時期だったしね・・・




そのため、実は僕も、このゲームは気心の知れた友達としか遊んだことがありません。

実家で遊ぶと、母ちゃんがびっくりしちゃうしね。



久し振りに遊んでみたい気もするけれど、

…気心知れたポリポリ★メンバーだったらワンチャンあるかな(笑)





4 件のコメント:

  1. 1「よし、じゃあ俺がヒーローやるよ!」
    2「いや俺がヒーローやるよ!」
    3「え… じゃあ俺もヒーロー…」
    1「どうぞどうぞ」
    2「どうぞどうぞ」

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  2. ところで私はTRPGを実際に遊んだ事がなくて、遊んでいる人達も
    見た事がないので、ポリポリの皆さんで生放送したら面白そうですね

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    1. TRPGのライブ配信は何度かトライしたことがあるんですが、番組としてきちんと面白いものにするのはなかなか難易度が高いんですよね。人狼も似たような理由で「やりたいねえ」と言いながらなかなか実現できてません^_^;

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