2013年9月21日土曜日

【タンタンの暴言】ゲーム業界のちょっと不思議なライバル関係



はじまりましたね、東京ゲームショウ!

ポリポリクラブ番外編~東京ゲ​ームショーZUNの部屋からこ​っそり中継!

を見ながら、このブログを更新しています。


毎年のことではありますが、大手も、インディーも、学生さんも集まって、ゲーム業界全体で盛り上げようとするお祭りムード、悪くないなって思います。

普段の活躍の場はそれぞれ違うけれど、「ゲーム大好き」という共通項を持つ人達が全世界から幕張に集まるわけで、それで盛り上がらなかったらウソです。



最近他の業種の友達と飲んで話たりするんですが、


ゲーム業界のライバル関係ってすごく特殊


なんですよね。



たとえば家電業界でいったら、冷蔵庫や洗濯機は一家に一台しか要らないから、人口が爆発的に増えない限り必要な数の限界値は決まっていて、そのパイの奪い合いになる。
車も基本一度買ったら数年は乗るので、そのパイを劇的に広げることは難しい。
だから、家電や車業界のライバル関係というのは基本、限られたお客さんの取り合いになるわけです。

アミューズメントの分野でも、例えば遊園地というのは一日に何箇所も行くわけではないので、ゴールデンウィークや夏休みといった商戦期にはお客さんの取り合いになります。

小選挙区制と同じ理屈で、1位以外はゼロ、という世界では、どうしてもパワーのある大手数社による寡占化が進んでしまいます。




でも、ゲーム業界のライバルは、必ずしもお客さんの取り合いじゃないんですね。




家電が小選挙区だとしたら、ゲームは中選挙区制

ドラクエでRPGの面白さを知ったひとは、2本目、3本目のRPGを買うだろうし、格ゲー遊びにゲーセン行った中学生時代の僕は、隣にあったぷよぷよもよく遊びました。マリオを遊びたくてファミコンを買ったとしても、2本目、3本目のソフトを買いますよね。1位だけじゃなく、2位~3位がアリなのが、まずひとつ。

そしてもうひとつ。ゲームは生活必需品ではないので、要らない人にとっては完全に不要なものです。なので当然、最初からゲームのお客さんじゃない人々、という層が一定数います。

裏を返せば、これまでお客さんではなかった彼らに興味を持ってもらうものを生み出すことで、ゲームのお客さんというパイそのものが「広がる」可能性を持っています。


たとえば、ニンテンドーDSの「脳トレ」は、普段ゲームを遊ばない年配の方や、ゲーマーではない層にハードを普及させることで、大きくお客さんのパイを広げてくれました。同じく「Wii Fit」なんかも好例ですね。任天堂さんは、ユーザー層の拡大というコトを戦略的に展開できる稀有な会社です。

他にも、「パズドラ」の大ブームによってガンホーさん以外のゲーム会社は打撃を受けたかといえばそれは逆で、今までゲームに親和性の低かったお客さんに「空いた時間にゲームを遊ぶのは楽しい」ということを知らせてくれたお陰で、後発のゲームは確実に「やりやすく」なっているわけです。


僕のホームグラウンドであるゲームセンターでは、その傾向はより顕著です。

そもそも人気ゲームがなければお客さんがゲームセンターに来てくれません。ゲームセンターに人が集まるからこそ、新作ゲームがお客さんの目に触れることができるわけで、そういう意味で、アーケードゲームを作っている会社はライバルである前に、一緒にゲーセンを盛り上げる仲間、という意識がとても強いです。(よく開発チーム同士で飲みに行ったり横の連携も太いです)

セガやナムコやタイトーといったアーケード業界大手は、自らゲームセンターを持っているのも大きいですね。セガの新作が盛り上がれば、当然その筐体を入れたナムコやタイトーのゲーセンだって盛り上がるわけで、より「一緒に盛り上げよう」感が強くなります。


僕はその感じがすごく好きなんだよなぁ。


ライバルであり、同時に同じ目標を向いているって感じが。


僕はインディーの世界も盛り上がってほしいし、次世代機も盛り上がって欲しい。ゲーム業界全体が盛り上がれば、より面白いゲームに触れられるチャンスが増えるはずだし、若い人が入ってきやすい環境が作れるから。

趣味の悪いゲーム系ブログなどでは、相変わらずゲームハードやゲーム会社同士の対立を煽り立てるような記事がPVを稼いでいたりしますが、そんなつまんないことは気にせず、みんなで面白いものを作って、プレイして、楽しければそれでいいんじゃないかなぁ。

東京ゲームショウが、何かが生まれる起点になるといいよね。

僕も明日、日曜日は終日スクエニブースにいますので、もし見かけたら声をかけてくださいませ!




(また文字ばっかになっちゃったので、次回以降は絵とか写真も入れようと思います)



4 件のコメント:

  1. 十年ほど前はゲーム会社同士で裁判起こしまくりでしたけどねw

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    1. 確かに、今でも訴訟合戦はちょいちょいありますね。

      もちろん悪質なものに対しては権利を主張するべきだとは思いますが、いちゃもんレベルの訴訟は辟易しますね…

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  2. DeNAとGREEが訴訟合戦で足の引っ張り合いしたり、開発会社に「ウチ以外で出すな」と脅したりしていたのは記憶に新しいですが。
    大手パブリッシャーやプラットフォーム屋同士の酷い争いなら、今でもあるんじゃないでしょうか。

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    1. ソーシャルなど、若いジャンルのほうが多いような気がしますね。
      開拓していく分野であればあるほど、先行利益を守るために必死になるということでしょうか。

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