2013年10月12日土曜日

【タンタンの暴言】マルチジャンル・ホラーRPG!



前回コミュニケーションツールとしてのゲームの話を書きましたが、今日は、最近遊んで「コミュニケーションツールとしての完成度の高さ」に感動したゲームをご紹介しようと思います。










ででん!




マルチジャンル・ホラーRPG
『インセイン』



表紙は僕の大好きなイラストレーターの青木邦夫さん

ゲームデザインは、これまた僕が最近一番ヘビーローテーションで遊んでいる『シノビガミ』の河嶋陶一朗さんでございます。




以前このコーナーで紹介した「熱血専用!」はかなり昔のゲームなので今では入手困難かもしれませんが、この『インセイン』は先月9月に刊行されたばかりのできたてほやほやのゲームなので、一般の書店でも手にすることができます。(TRPG関連書籍は専用のコーナーがなくても、テレビゲーム系の攻略本コーナーの近くに並んでいることが多いです)


マルチジャンル・ホラーと銘打っているだけあって、このルール一冊で学校の怪談からゴシック・ホラークトゥルフ神話のようなコズミックホラーまで、あらゆるジャンルのホラーを遊ぶことができます。さらに、本の前半部分は「リプレイ」と呼ばれる遊び方の紹介になっているため、初めての人でも入りやすい構成になっております。(でもまあ、できることなら最初はTRPGを遊んでいる人にゲームマスターをやってもらうほうが良いと思います)


さて、肝心のゲームの流れですが、プレイヤー同士はゲームマスターがあらかじめ用意した何かしらの『秘密』を持ってゲームに参加します。この『秘密』は、他のプレイヤーに調べられない限り、自分しか知ることができません。さらに、ゲームを進めて恐怖を体験するたびに少しずつ『狂気』に蝕まれていくため、たとえ共闘関係にあったとしても、うっすらとした疑心暗鬼が支配する、とてもホラーらしい独特の怖さを味わうことができます。

ゲームは、調査や他のキャラクターとの交流、戦闘など、各プレイヤーがやりたいことを演出込みで考えながら進めていきます。この1つの行動の単位を「シーン」といい、交代しながらひとりのプレイヤーあたり2~3シーンをプレイしたら、クライマックスフェイズ(怪異との遭遇など最後の盛り上がりパート)へと進み、その結果を受けて各プレイヤーのエピローグを演出してゲームは終了します。

シナリオにもよりますが、だいたい1ゲーム2~3時間でしょうか。
一般的なTRPGの中ではルールの取り回しが非常に軽く遊びやすい設計になっています。


『狂気』はカードで手渡され、渡されたプレイヤーだけがその内容を見ることができます。渡されただけでは『狂気』は何の効果も持ちませんが、ある条件(トリガー)を踏んでしまうと狂気が顕在化してしまうため、その条件を知らない他のプレイヤー的にはドキドキなわけです。

例えば、仲間に裏切り者がいるんじゃないかと疑う「疑心暗鬼」という『狂気』を持っているプレイヤーは、他のプレイヤーが何かの行為判定に大失敗(ファンブル)すると

 「こいつは、わざと失敗して自分たちを陥れようとしているのではないか」

と感じ、咄嗟にそのひとを傷つけてしまいます。(これが狂気が顕在化した状態です)

さらに、その攻撃をされたプレイヤーが、自分が傷を負うことに極端に怯える「パニック」という狂気を持っていたら・・・といったように、ひとつの狂気が次々と連鎖して別の狂気を生み出していくこともあったりします。


みんなで協力しなければ状況を打開できない!という気持ちと、でも一緒にいたくない!という気持ちが入り混じって、ついつい、


「俺はこんな殺人鬼がいるかもしれない場所に一緒にいたくない!」


などと、ベタな死亡フラグを口走ってしまう、この感じ。たまりません(笑)



僕も先週はじめてプレイしてみたのですが、これまで遊んだTRPGのシステムでは再現が難しかった「プレイヤー同士の疑心暗鬼」をシステム的に非常にうまく(そして複雑にしすぎず)実現していることに感動しました。もっと掘り下げたら、色んなシナリオギミックが実現できそうでワクワクします。プレイヤーの中に敵が潜んでいる、人狼っぽいシナリオも面白いですね。

来月も同じメンバーで遊ぶので、また何か新しい発見があったら書きたいと思います。


ではまた来週!


1 件のコメント:

  1. そんなことより俺らと麻雀やろうぜ!
    トリプルロンありで!

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