フジカ*火曜日の書架
第六夜
迷宮の作家へ、敬意を込めて
夢の火曜日です。
今回は「夢と現実の二重性・コラージュ実験」と題し、
わたしの愛読書から夢の逸話を
いくつか集めてみました
コラージュで描きだすのは
夢と現実の二重性。
お気軽にお楽しみください。
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哲学倫理概念や教義に没頭していた聖者だ。
だが、彼の夢の中には、
不謹慎で歪んだ出来事が立ち現れる事実に
驚きを隠すことはできなかった。
自分にふりかかってきたこと」と彼は言った。
「二つの自分の間には何と大きな相違が!」
責任のないことを神に感謝した。
『数であるものと数でないもの』ロデリクス・バルティウス
「異国のお方よ、不可解不明瞭な言葉を用いる
夢がございます。
そしてその夢が人間に伝えることは、
果たされません。
夢には二つの扉がございます。
一つは角で、もう一つの扉は
象牙で作られています。
私たちを欺き、
私たちに意味のない言葉をもたらします。
それを視る人間に真に実現するものを
伝えるものでございます」
角で出来ていると言われ、
その扉を通り、いとも容易く真実の影が出てくる。
つややかな扉。
それを通して死霊たちは、
この世界に偽りの夢を送り届ける。
それが夢と同じ様に莫迦げていて、
脈絡がなく、避けがたいもので
繰り返すことができず、
根拠のない喜びや恐怖のものであり
伝えよう、と躍起になっても
全体を伝えることができないものと・・・
おそらくはお思いなのではないか?
絨毯(その図柄には決して同一のものは存在しない)を
眺めて思うことは、
それがおそらくは
地上の生の一断面であろうということだ。
(そこでは時間と空間が消えているか、
あるいは両者が屈辱的に
または華々しく誇張されている)
モイセス・ネマンは、テヘランでこのような夢を視た。
寄宿舎の自室のテーブルの上に置いておいた用紙の中に、
書いてある一枚の紙を見いだした。
裏返してみると、
「裏側に書いてあることは本当ではない」と
書いてあった。
・・・その紙はなかった。
一つは目に見えるものであり、
もう一つは目に見えないもの。
目に見えるものは、
目に見えないものの投影にすぎない。
現世は夢となり
夢は現世となる
『悪魔くん』
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翻訳不可解な夢が告げる、二重性の暗喩。
実に、夜と昼を生きる
わたしたち人間らしいビジョンです。
あなたもわたしも・・・
もしかしたら本当は存在などしていなくて、
眠る誰かが、夢視ているだけの存在、
なのかもしれませんね。
それでは、また火曜日に!
サヨウナラ
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