2013年8月24日土曜日

【タンタンの暴言】クラフト系ゲームの作り方、知ってますか?



こんにちは、土曜日担当の丹沢です!
自分のゲームをプレイするのにゲーセンで散財して金欠ですw




ここのところ旅話や文鳥の話などが続いたので、今日は久し振りに、ゲームの話をガッツリ書こうと思います。

ゲーム論議をする上で、ゲームの系統的なジャンル分けは欠かすことができませんよね。


一番好きなゲームジャンルは何?


と、問われたら、格ゲーもアクションもRTSもFPSもカードゲームもボードゲームもTRPGも愛しているし、ひとつになんか決められないよぉどうしよどうしよ!と答えに窮してしまいますが、


一番長く遊んだゲームジャンルは?


と聞かれたら、すぐに答えられます。それは間違いなく、


クラフト系ゲーム


です。

ラブクラフト系ゲーム、ちゃいます。クラフト系、工作系。ね。


あらかじめ用意されたルートがあってエンディングを見たら終わり、という構造ではなく、想像力さえあれば際限なく遊べる魔性のゲーム、それがクラフト系です。時間泥棒。


実際いくつか代表的なものを紹介しようと思いますが、ちょうどPlayStationシリーズのスペックの上昇とからめて紹介すると面白いんじゃないかと思ったので、ためしにそういうまとめ方をしてみることにしてみます。


初代PlayStationのクラフト系といえば、『パネキット』を語らないわけにはいきません。



発売時のキャッチコピーは『無限工作おもちゃ箱』(なんて素敵なコピー!)。
そう、無限に遊べるんです。想像力の限り、飽きるまで、いつまでも!

ゲーム内で、板のようなパネルやジョイントでカタチを作り、そいつにタイヤやモーターやジェットエンジンを組み合わせることで、クルマや飛行機のような動くモノを作ることができる。それをフィールドで走らせたり、飛ばしてみたり、ちょっとしたミニゲームを遊んだりと、自由に操作して遊べちゃうという、工作好きにはたまらんゲームです。

PS2だったら何百種類ものパーツが用意できたかもしれないけれど、PSの描画能力の中での限定的なクラフト機能だったからこそ、その不自由さの中で工夫してすごいものを作るのが楽しかった気がします。何でもできる、が必ずしも良いとは限らないのがクラフト系ゲームの特徴。

簡易的な物理シミュレーションを採用しているので、車体のバランスが悪ければ転ぶし、ちっともまっすぐ走らない車なんかもできちゃう。

そんな、失敗を含めた試行錯誤が最高に楽しいんだよね。

いまや物理シミュレーションは身近な技術になってしまったけれど、当時はすごく最先端のピカピカした未来に見えたものです。

『パネキット』は、今でもPSストアで手に入れることができます。
いいですね、アーカイブスって。コンテンツがちゃんと、アーカイブされるって、すごく喜ばしいことだと思うのです。このアーカイブスのおかげで、最近になってようやく黒字化したそうです。おめでとうございます!!!



PlayStation2の時代は、なんといっても僕の人生を方向転換させてくれた『ラクガキ王国』は外せません。誰がなんと言っても紹介しちゃうもんね。




キャッチコピーは『キミの手から生まれた、ボクたちの物語』


・・ちょっと、何言ってるのか分かりませんネ(笑)


でも、このゲームは本当にすごかった。東京大学の五十嵐さんの「Teddy」という2Dで描いたカタチが立体化する技術に、ボーンを生成してモーションさせるタイトー開発の独自技術をミックスさせ、描いたものが立体化して動き出すという、ドリームを実現させてしまいました。

自由なキャラクタークリエイトできるゲームはたくさんありますが、あらかじめボーンが決まっていて、そこに肉付けする、というものがほとんどです。

エレクトロニック・アーツの『Spore』とか、セガの『カイジュウの島』なんかは、ボーン選択→肉付け、という仕組みを採用しています。




これは骨のバリエーションをいくつか用意するだけですから、技術的にはそんなに難しくない。

『ラクガキ王国』のすごいところは、そのフローを逆にし、肉のカタチからボーンを自動的に判別、生成するところです。

手足の数や、体型から「ユーザーはきっとこんな動きをさせたいんだろうなぁ」を推測し、それっぽいボーンを自動生成し、モーションを振り分けます。足がなくても、1本足でも、2本足でも、4本足でも、8本足でも、もちろん、5本足、みたいな自然界にいないカタチでもOK。だって「ラクガキ」ですもの。すごい長い足を描いても、小さな豆みたいな足でも、体からすごく離れたところに足があっても、足以外にタイヤや羽根があっても、腕の先にもう一個腕がついていても、全部どうにかしちゃおう、という設計。ちょっと最初に仕様設計したやつ出てこいよ、という狂気をはらんでいます。まあ、この話は始めると長くなるのでいつか改めて書いてみたいと思います。

パネキットには、ストーリー的なものはほとんどありませんでしたが、この『ラクガキ王国』は、ストーリーと世界観も素敵。いまでもボクの中でナンバーワンのクラフト系ゲームです。



さて、時代は近づいて、PlayStation3。『リトルビッグプラネット』を語らずにはおれませんね。


このゲームのコンセプトが発表さた時、パソコンモニターの前で「うおおおおおー!」と打ち震えたのを覚えています。東京ゲームショウの試遊スペースに3回並んで、他のゲームを全く触らなかったくらい、クラフト系ゲームクラスタとしてはたまらないゲームでした。

内容は、様々な素材を組み合わせて、横スクロールアクション風のステージを作成する、という感じ。作ったゲームを世界中の人に遊んでもらうことができるという、ラクガキ王国で切望して叶えられなかった「データ交換」を実装しています。

「データ交換」できる、というのは、クラフト系の巨大なブレイクスルーです。

自分が作った作品をみんなに見てもらいたい、感動してもらいたい、笑ってもらいたい、という気持ちは、クラフト系ゲームユーザー共通の願いです。

今でもラクガキ王国の動画は一日に3~4本、ニコニコ動画にアップされていますが、PS2でプレイした画面を綺麗に録画してニコ動にアップするというのは、結構技術的な敷居が高い。これをワンボタンで共有できたら。ユーザーコミュニティの拡大は加速します。

正直、うらやましかったんよね。

知ってたのに、やられちゃったなぁって。

でも好きです、リトルビッグプラネット。シリーズもPS4で続くみたいだし、期待です。


PlayStationファミリーにも参戦するようですが、最近のクラフト系大ヒットといえば、『Minecraft』があります。



このゲームのヒットは、いまいち商業的にパッとしないクラフト系ゲーム業界(そんな業界があるか知らんけど)に、大きな光を投げかけたと思います。

来るんじゃない?クラフト系ゲーム黄金時代!


ゲームを紹介するだけで長くなってしまったのでそろそろ終わりにしますが、最後にひとつ。

クラフト系ゲームを設計するためには、いくつか重要なコツがあると思います。

その中で一番大切なのは、

絶対にツールにしない

ってことです。

クラフト系のゲームを作っていると、どうしてもあれもこれもと便利機能をつけたくなります。その結果、いつの間にかPhotoShopやMAYAやUnrealEngineみたいなインターフェイスになっていたりします。

パネキットの紹介にも書きましたが、何でもできる、はユーザーの工夫の余地を奪います。わざとちょっと不自由に設計する、というコトがありえるのが、クラフト系の特徴です。

そういう意味で、『Minecraft』は本当に、よく出来たゲームです。ツールとゲームのバランスが奇跡的なバランスで取られている。

製作者のマルクス・ペルソンさんは、今、僕が一番会ってみたいゲームクリエイターです。




最後の最後に、ちょっと前に流行ったiPhoneアプリを紹介して終わりにします。

『colAR mix』

塗り絵からテクスチャを生成してARで動かす、という仕組みのアプリです。ゲームではないです。



公式サイトから落とした塗り絵に色を塗って…



iPhoneのアプリで見ると、立体化して動き出します。




一度生成されると少し塗り絵を隠しても大丈夫なので、
こんなこともできます


ゲームとしてはここからもうひとアイデア欲しいですが、この手軽さはとても良いですね。小さい子が遊びに来た時に活躍しそうです。

 ではでは!

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